ORGANIC HOUSE オーガニックハウス

建築の巨匠「フランク・ロイド・ライト」の有機的建築思想を正統に継承

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2017年4月3日

ライトのプレカット

プレカットシステムは、現代の建築では当たり前のように広がりました。
このプレカットをライトが1910年代に進めていたことは知っている人は少ないと思います。
ミルウォーキーのウェストバーナム通り沿いにある4棟の重ね建て住宅はアメリカン・システムビルト・ハウスと呼ばれるプロジェクト建築です。


このプロジェクトは1911年から1917年までの長い期間に亘って準備され、1917年には生産体制が整えられて、シカゴの新聞各紙に広告が掲載されました。
ときに「アメリカン・レディカット」とも呼ばれるこのシステムは、基本的に木造セメント・スタッコ仕上げで、構造、造作に用いる木材(壁の枠組、床組、屋根垂木、天井垂木からドアや窓の枠材に至るまで)を予め工場で加工し、現場では墨付け、切断を行わずに済ませるようパッケージ化されていました。
これは、現場作業の効率化を図りコストダウンを図るのが目的でしたが、実際の開発の狙いは、同じような箱を並べるだけのただ同じ家を延々と繰り返し生産し続けることではなく、機械の力を使って初めて可能となる多様性を確保しようという点にありました。
住宅自体の規模や平面、立面のバリエーションは膨大な数にのぼるが、その違いによらず、ディテールはすべてに共通で、すべての部材は注文に応じてすべて工場加工されるはずでした。
1911年といえば、ヨーロッパから帰ったライトがウィスコンシン州スプリンググリーンにタリアセン建設を始めた年です。
さらには1913年に帝国ホテルの仕事が決まって以降、日本に滞在中もこのプロジェクトを続けている。タリアセン・アーカイブスに保管されている資料の中でも最もボリュームがあるのがこのプロジェクトで、アメリカン・システムビルド・ハウス関連のファイルには900枚を超える数の図面が収められています。
アパートメントハウスとして建てられた4棟は「Tow Flat Dwelling ⅦA」と分類されたプランが採用されたが、西端だけは防犯上の理由で東西反転されています。
同じプランでありながら外観は素材と色、窓の上下のホリゾンタル・リボンでデザインバリエーションの豊かなものに仕上げられています。
この頃を一般に「不毛の時代」と呼ぶが、プレーリーからユーソニアンへの過渡期であり、ライト自身にとってはアイデアの充填期間だったのかもしれませんね。
リチャーズ・カンパニーが建設したこの4棟の2戸型アパートとその東隣に建つ「リチャーズ・スモールハウス」、「リチャーズ・バンガロウ」の住宅群はミルウォーキー市の歴史地区に指定されています。

ライト建築は、すべてが高級な住宅を作ったわけではなく、人が幸せに豊かに暮らせるための住宅づくりにまい進したという例でもあると思います。

Written by T.Y

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